読売ジャイアンツのゴールデングラブ賞受賞内野手・吉川尚輝選手が愛用する「小指2本入れ」グローブが野球界で大きな注目を集めています。
ZETTとアドバイザリー契約を結ぶ彼のグローブには、現代野球における守備革新の秘密が詰まっており、2025年モデルではさらなる進化を遂げています。
本記事では、吉川選手独自のグローブ使用法から最新の2025年モデル情報まで、トレンドの最前線を詳しく解説していきます。
吉川尚輝選手のプロフィールとグローブへのこだわり
基本情報と実績
吉川尚輝選手は1995年2月8日生まれの岐阜県出身で、現在29歳の内野手として読売ジャイアンツで背番号2を背負っています。
177cm・78kgの体格でありながら、右投左打という特徴的なスタイルで、2024年にはベストナインとゴールデングラブ賞をダブル受賞するという素晴らしい成績を残しました。

グローブに対する独特なこだわり

吉川選手のグローブに対するこだわりは非常に独特で、フィット感と硬さを最重要視しています。
彼は「カチカチの状態から自分の型にしたい」という強いこだわりを持ち、多少硬い状態でも試合で使用するため、新しいグローブでも短期間で実戦投入できるという利点があります。
個人的な感想として、これほどまでにグローブの硬さにこだわる選手は珍しく、一般的には柔らかく使い慣れたグローブを好む選手が多い中で、吉川選手の姿勢は非常にプロフェッショナルだと感じます。
吉川尚輝選手のグローブ特徴分布 – 4つの主要な特徴をバランス良く重視
『小指2本入れ』とは?技術的解説とメリット
小指2本入れの基本概念
「小指2本入れ」とは、グローブの小指部分に小指と薬指の2本を入れて使用する技術です。通常の5本入れとは異なり、人差し指部分を空けて、中指の場所に人差し指、薬指の場所に中指を挿入し、小指の箇所に薬指と小指を入れる使用法となります。
メジャーリーグでの普及状況
この技術はメジャーリーグでは既に定番となっており、大谷翔平選手のような強打者の打球速度が平均150km/hを超える現代野球において、より確実な捕球が求められるためです。ロビンソン・カノ選手をはじめ、多くのメジャーリーガーがこの手法を採用しています。
これまで外野手では一般的だった小指2本入れが内野手にも浸透してきているのは、現代野球の打球速度向上という時代背景があり、非常に理にかなった進化だと思います。
小指2本入れの主なメリット
- ポケットの深化と捕球安定性
小指2本入れにより、ポケットを深く使うことができ、ボールをしっかりと捕球できるようになります。特に強い打球に対して、グローブが吹き飛ばされるリスクを大幅に軽減できます。 - グローブ操作性の向上
小指部分に2本の指が入ることで、グローブの開閉が非常にスムーズになります。少ない力でもグラブをガッチリと閉じることができ、シングルでの捕球も安心して行えます。 - 逆シングル捕球の容易さ
小指2本入れは逆シングルでの捕球時にも効果を発揮し、腕を内側に捻る動作がより自然に行えるため、確実な逆シングル捕球に繋がります。
実際に使ってみた選手たちの評価を見ると、特に守備範囲の広い内野手にとっては革新的な技術だと感じられます。

注意すべきデメリット
一方で、小指2本入れにはいくつかのデメリットも存在します。
- 当て捕りの制限
グローブの構造上、素早い送球の代名詞である当て捕りが困難になります。 - グローブ角度の変化
装着時にグローブが親指側に傾き、使用するグローブによっては腕とグローブが「くの字」になってしまうリスクがあります。 - 握り替えの遅延
ポケットが深くなることで、ボールの持ち替えが遅くなる可能性があり、特に二塁への送球やダブルプレーを狙う際に不利になる場合があります。
このデメリットを踏まえると、選手個々のプレースタイルや守備位置に応じた慎重な判断が必要だと思われます。
ZETTプロステイタスシリーズの特徴
吉川選手とZETTの契約関係
吉川選手はZETTとアドバイザリー契約を結んでおり、プロステイタスシリーズの中でも特別仕様のグローブを使用しています。ZETTからは一般向けにも吉川選手モデルのグラブが発売されており、ファンにとって憧れの選手と同じ道具を使用できる機会となっています。
プロステイタスレザーの品質
ZETTプロステイタスシリーズの最大の特徴は、厳選された北米原皮から日本のタンナーによって加工されたプロステイタスレザーの使用です。このレザーはグラブに最適なしなやかさと耐久性をあわせ持ち、プロ仕様の品質を実現しています。
ZETTの革へのこだわりは日本のクラフトマンシップの象徴とも言え、プロ選手が信頼を寄せる理由がよく理解できます。

挟み捕りパターンの採用
吉川モデルの特徴として、**「挟み捕りパターン」**が採用されています。これはアテ捕りの進化版として、捕球時に親指を起点に中指・薬指・小指で軽く挟んで持ち帰るスピードプレー対応パターンとなっています。
2025年モデルの詳細解説
硬式用モデル(BPROG260)
2025年の硬式用吉川モデルは型番BPROG260で展開され、価格は66,000円となっています。主な仕様は以下の通りです:
- 重量: 540g(±30g)
- 素材: プロステイタスレザー(天然皮革)
- カラー: オークブラウン×ブラウン、チョコブラウン×ブラック、ディープオレンジ
- サイズ: 4(二塁手・遊撃手向け)
- 特徴: 挟み捕りパターン、ポケット広め、スリムなYクロスウェッブ搭載
軟式用限定モデル(BRGPRO25Y)
軟式用では2025シーズンインプロモデルとして、より特別な仕様で展開されています。
- 価格: 42,900円
- カラー: ブラック×ホワイト(限定カラー)
- 重量: 580g(±30g)
- 特徴: ゼット認定「ダイアモンドショップ」のみ販売可能な激レア商品
この限定モデルは、オーダーシミュレーションでも選択できない特別仕様満載で、ラベルは限定のZピークスウェルダーラベルが採用されています。
個人的には、このような限定モデルの存在がコレクター心をくすぐり、野球用品の付加価値を高めている点が非常に興味深いと感じます。
SEシリーズの上質な仕様
2025年モデルの中でも特に注目されるのがプロステイタスSEシリーズです。きめ細かくしっとりとした上質なヨーロッパ産キップレザーを使用し、表平裏に当て革補強を施すことで、捕球面の張りとしっかり感にこだわった仕様となっています。
刺繍風ウェルダーラベルやブラウン色ムートンなど、SEシリーズ特別仕様の高級感のある外観も魅力の一つです。
引用元:https://zettshop.net/itemdetail/z/bprog66s-%E5%8F%B3%E6%8A%95%E3%81%92%E7%94%A8(lh)-1900
実際の使用感とプロ選手の評価
吉川選手の使用感コメント
吉川選手自身のインタビューによると、グローブを「やや大きめ」のサイズに変更し、従来使っていたグラブから指の長さを5mm大きくしています。
この変更により「グラブを立てやすくする」という狙いがあり、隣に座っていた今宮選手も驚くほどのサイズアップを図っています。

職人による型付けの重要性
ZETTの職人による型付け工程では、
吉川選手モデル特有の「手入れを小指側に寄せた設計」が重要視されています。
この設計により、自然にボールを挟み捕りできるポケット広めでスリムなモデルが実現されています。
職人の技術と選手の要求が融合した結果として生まれる一品一品に、日本の野球用品製造業の真髄を感じることができます。
他選手への影響
西武ライオンズの外崎選手や源田選手、さらにはジャイアンツの岡本選手など、多くのプロ選手が小指2本入れでプレーするようになっており、吉川選手のスタイルが業界全体に与える影響の大きさが窺えます。
購入ガイドと選び方のポイント
価格帯と入手方法
2025年モデルの価格帯は、軟式用で42,900円から硬式用で66,000円となっており、プロ仕様としては比較的入手しやすい価格設定となっています。特に軟式用の限定モデルは、ダイアモンドショップでのみ購入可能という希少性があります。
小指2本入れ対応の確認
購入時には必ず小指2本入れ対応であることを確認する必要があります。非対応のグラブを小指2本で使用すると型崩れを起こしてしまうため、店員への相談や商品説明文の確認が重要です。
向いている選手の特徴
小指2本入れが特に効果的なのは、以下のような選手です:
- シングルキャッチが苦手な初心者
- 逆シングルが苦手な選手
- 送球に自信がある選手
- 球出しが得意な上級者
個人的な経験から言えば、自分のプレースタイルを十分理解した上での選択が重要で、流行に流されずに慎重に判断することをお勧めします。
メンテナンスと長期使用
吉川選手のように硬さを保つスタイルでは、定期的な手入れと型付けの維持が重要になります。プロステイタスレザーの品質を活かすため、適切なオイルの使用と保管方法を心がけることで、長期間の使用が可能になります。
まとめ:現代野球における革新的グローブ技術
吉川尚輝選手の「小指2本入れ」グローブは、単なる個人の好みを超えて、現代野球の進化に対応した革新的な技術として位置づけられます。打球速度の向上、守備範囲の拡大要求、プレーの高速化といった現代野球の課題に対して、道具の側面からアプローチした解決策と言えるでしょう。
ZETTプロステイタスの2025年モデルは、こうした技術革新を具現化した製品として、アマチュア選手からプロ選手まで幅広い層にとって価値のある選択肢となっています。ただし、小指2本入れには明確なメリットとデメリットが存在するため、個々の選手のプレースタイルや守備位置、技術レベルに応じた慎重な選択が必要です。
野球界全体のトレンドとして、今後もこのような道具の革新が選手のパフォーマンス向上に寄与していくことが期待され、吉川選手のようなトップアスリートの取り組みが、野球というスポーツの発展に大きく貢献していることは間違いありません。
これからグローブ選びを検討している野球愛好家の皆さんには、ぜひ実際に店舗で試着し、自分に最適なスタイルを見つけていただきたいと思います。トレンドを追うことも大切ですが、最終的には自分のプレーを最大限に活かせる道具選びが何より重要だと考えています。