政府が検討を進める「走行距離課税」に対して、SNS上で批判的な意見が相次いでいます。
この新たな課税制度をめぐり、
特に地方在住者や物流業界から「頭おかしい」といった強い反発の声が上がっています。
走行距離課税とは何か?
走行距離課税とは、車の所有ではなく実際の走行距離に応じて税金を課す新しい制度です。電気自動車(EV)の普及により、ガソリン税などの燃料課税の税収減少が見込まれることから、その代替財源として2022年10月の政府税制調査会で検討が始まりました。
この制度の背景には、道路維持費の確保や公平な負担の実現という政府の狙いがありますが、国民からの反応は芳しくありません。
SNSで噴出する怒りの声
地方住民からの悲痛な叫び
SNS上では地方在住者を中心に、激しい批判の声が相次いでいます。
主な批判内容:
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「走行距離課税で地方と輸送業無事死亡じゃん」
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「田舎なんてクルマが無いと生きていけないのに更に金とるなよ」
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「公共交通が少ない地域では車が必須なので、不公平な税制になる」
地方では車が生活の足として欠かせないため、都市部との格差がさらに拡大するのではないかという不安が強く表れています。
筆者の感想:
地方住民の怒りはもっともです。都市部に住む政策立案者には、車なしでは買い物にも病院にも行けない地方の現実が見えていないのでしょう。これは単なる税制改正ではなく、地方切り捨て政策に映ってしまいます。
自動車産業への懸念
自動車産業への影響を心配する声も目立ちます。
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「世界に誇る日本の自動車産業が衰退するぞ」
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「走行距離課税とか作るのなら絶対に”若者のクルマ離れ”とか言うなよ」
すでに進行している若者の車離れがさらに加速し、日本の基幹産業である自動車産業の衰退につながるとの懸念が示されています。
筆者の意見:
まさに本末転倒な話です。政府は一方で自動車産業の競争力強化を掲げながら、他方で車の利用にペナルティを課そうとしている。政策の整合性に疑問を感じざるを得ません。
物流業界への深刻な影響
運送コスト増大への不安
物流業界関係者からは、運送コストの大幅増加を危惧する声が上がっています。
具体的な懸念:
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長距離輸送の負担が激増
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配送料の値上げが避けられない
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最終的に消費者価格に転嫁
「売り物全てが『運ばれてやってくる』前提だから全品値上げだね」という指摘は、まさに核心を突いています。
筆者の考察:
物流業界への影響は計り知れません。Amazon配送から食品宅配まで、すべてのコストアップが消費者に跳ね返ってくる構造は明らかです。インフレ対策を叫ぶ政府が、自らインフレ要因を作り出すという皮肉な状況です。
職業ドライバーの負担
仕事で車を使う人の約9割が不安を感じているという調査結果も出ています。
職業ドライバーの声:
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「働くほど負担が増える」
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「仕事で使うから走行距離が長くなり、税金が上がる」
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「住んでいる北海道は公共交通機関での移動は難しく、走行距離は必然的に多くなる」
筆者の感想:
これは労働に対する罰金制度と言えるのではないでしょうか。働けば働くほど税金が高くなるなんて、勤労意欲を削ぐ制度以外の何物でもありません。
走行距離課税の課題と問題点
地域格差の拡大
地域特性 | 影響 | 課題 |
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都市部 | 公共交通が発達、車の利用頻度が少ない | 比較的軽微な負担増 |
地方部 | 車が生活必需品、長距離移動が日常 | 大幅な負担増、生活圧迫 |
物流拠点 | 長距離輸送が基本業務 | 事業コスト激増 |
この表を見ても分かるように、地域による不公平感が制度の最大の問題点として浮き彫りになっています。
技術的・制度的課題
主な課題:
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走行距離の正確な把握方法
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プライバシー保護の問題
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既存税制との二重課税の懸念
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導入・管理コストの問題
特に、車の走行を常時監視することになるため、個人情報の取り扱いについて慎重な検討が必要です。
筆者の考察:
この表を見ても明らかですが、地域による格差は避けられません。都市部の政治家や官僚が机上で考えた制度が、いかに地方の実情を無視しているかがよく分かります。
国民の反応と今後の展望
世論の動向
SNS上でのトレンド入りや、Yahoo!ニュースのコメント欄での活発な議論など、国民の関心は非常に高い状況です。
しかし、その大部分が否定的な意見で占められているのが現状です。
政府は国民の理解を得るために、より丁寧な説明と制度設計の見直しが求められているでしょう。
筆者の感想:
これほど国民から反発を受ける政策も珍しいのではないでしょうか。与党内からも慎重論が出ているのに、なぜ政府は強行しようとするのか理解に苦しみます。
今後の課題
2025年度以降の実施を目指して検討が進められていますが、以下の課題解決が急務です:
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地域格差の是正措置
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物流業界への配慮
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技術的課題の解決
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国民との対話促進
まとめ
走行距離課税に対するSNSでの反応を見ると、「頭おかしい」という率直な批判から、具体的な生活への影響を懸念する声まで、幅広い層から反対意見が寄せられています。
特に地方住民や物流業界からの反発が強く、制度設計の根本的な見直しなしには国民の理解を得ることは困難と思われます。政府は技術的課題の解決だけでなく、地域間格差や産業への影響を十分に考慮した慎重な検討を進める必要があるでしょう。
電気自動車普及という時代の流れの中で、新たな財源確保は避けられない課題かもしれませんが、国民生活への影響を最小限に抑える工夫が不可欠です。
筆者の最終的な考察:
この制度は「誰のための、何のための政策なのか」という根本的な疑問が残ります。税収確保という政府の都合を国民に押し付けるのではなく、まずは無駄な支出の見直しや既存税制の効率化から始めるべきです。国民生活に直結する重要な政策だからこそ、もっと丁寧な議論と説明責任が求められています。
出典元
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Yahoo!ニュース – 自民党政権による新たな車利用税検討に注目集まる
https://news.yahoo.co.jp/articles/ab3e828b993ae1ac622b95fc1bb2940a5417c82e -
オートックワン – 走行距離課税(走行税)はいつから?どうやって調べる?気になる仕組みや事例を徹底解説
https://autoc-one.jp/knowhow/5024576/ -
Excite.co.jp – 「走行距離課税」導入へ本格議論
https://www.excite.co.jp/news/article/shueishaonline_254927/ -
BSRweb – 走行距離課税は、誰が言ったのか
https://bsrweb.jp/article/001216 -
廃車110番 – 自動車税の行方とは?仕組みと使われ方
https://www.haisya110.com/blog/2025/07/26/5313 -
中日新聞 – 三原じゅん子議員「走行距離課税」が税制大綱に盛り込まれなかったと報告
https://www.chunichi.co.jp/article/602064